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チョウヨク　ハクキョウ
　　
　蜀の官僚、軍人。地方長官を歴任し、法治に努める。後に廖化共々、武将として活躍する。姜維が北伐を繰り返すと、度々これを諌めたが、聞き入れられず。

・益州の犍為（けんい）郡出身。劉備が益州牧となった際、書佐に任じられる。
・孝廉に推挙される。（孝廉とは、官僚の候補枠。）江陽県の長、続いて涪陵（ふりょう）県の令を務める。
・梓潼（しとう）太守、広漢太守、蜀郡太守を歴任する。（相当、評価されていたのだろう。）


・庲降（らいこう）都督に任じられる。南方の諸郡を統治。
・法に厳格な性格で、異民族にも遠慮しない。（当時、異民族は横暴になっていた。張翼はあえて、法の徹底にこだわったのかも知れない。）その結果、異民族の長劉冑が反乱する。（張翼のやり方は、急進すぎたらしい。）張翼はこれを討伐するも、なかなか勝てず。
・その内に、都に召還される。部下達は言う。「直ちに都に行き、罪を乞うべきです。」張翼は言う。「後任者が到着するまで、職務を忠実に果たすべきだ。」かくて、軍糧を万全にする。後任の馬忠は、それを元に劉冑を撃破。

・姜維が魏への北伐を行い、隴西郡に進軍する。張翼もこれに従う。姜維の軍は、王経（雍州刺史）に大勝する。（張翼の貢献もあったと思われる。）姜維が追撃を考えると、張翼は諫める。「もう戦果は十分です。ここで追撃して勝てなかったら、功に傷を付けることになります。」しかし、姜維は強行し、陳泰（魏の将）に阻まれる。
・廖化共々、将として、蜀内で評判があったという。

・度々、姜維の北伐を諫める。姜維は内心、張翼が気に食わない。それでも、北伐の際、常に随行させる。（張翼の才腕は、不可欠だったのだろう。）張翼もまた、黙って任務を果たす。


・鍾会（魏将）が蜀に侵攻し、姜維は剣閣に向かう。（指揮下に廖化。）張翼は当初別行動だったが、姜維と遭遇して合流。その後、剣閣の守備に当たる。鍾会はやがて撤退を考えたが、劉禅（蜀の帝）が鄧艾（魏将）に降伏。
・姜維は鍾会に反乱をそそのかす。しかし兵が反乱し、二人共殺害される。張翼も、混乱の中で討死する。

・陳寿は張翼を評して言う。「あえて姜維に抵抗したのは、称賛すべきことである。」

馬忠　張嶷　李恢　廖化

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