トップページ>三国志総合事典(正史)>
中央1 / 中央2 / 地方
中央官僚の続きです。本ページでは、「内朝系」などを取り上げます。
4、内朝系 5、武官系 6、補佐役
内朝とは、皇帝の内部的組織。助言したり、朝廷の文書・人事を司る。次第に、国政全般に関与した。
主に宦官が就任し、強い権限を持ち得た。
外朝の三公、大将軍などが、この役職を兼任し、内朝を統御した。
後漢後期、曹操は司空(及び司徒・太尉)を廃止し、御史大夫を復活させた。
三公九卿に属するものは除く。
曹丕が設置し、後に呉・蜀も置いた。大都督、都督中外諸軍事など、種々存在。また、地方(州)にも置かれた。
後漢時代は、軍が独自に設置。地位、役割も多様。
なお、州において、都督の代わりに置くこともあった。
上位の将軍は、「驃騎将軍」「車騎将軍」「衛将軍」など。
三国の官職で、執金吾に代わって実権を得た。
なお、経験が浅い者は「中領軍」(魏・蜀のみ)に就任。
また、経験が浅い者は、代わりに「中護軍」に就任。
後漢では、「護軍将軍」は置かれず、「中護軍」のみ置かれた。
三国時代以降は、領軍に従う。魏では中塁、武衛と合わせて「三営」と呼ばれた。
また、霊帝は自らを「無上将軍」と称し、八校尉を統べた。(無上とは「上に誰もいない」の意。)
なお、同名の官職は地方(主に辺境)にも存在。
なお、同名の官職は地方(郡など)にも存在。
様々な役所に共通して置かれる。
地方では、郡や国(藩国)において、丞の代わりに置かれることがあった。
地方においても同様。
後漢、魏、蜀の官職。呉は置かず。
なお、東曹・西曹は、丞相府などに置かれた。(曹操が設置。)東曹は中央・地方の高官の人事、西曹は府内の人事を担当。
他に、「軍祭酒」「軍謀祭酒」が史書に出てくるが、いずれも軍師祭酒と同一とされる。(諸説あり。)
「司馬」とは“馬を司る”の意。馬は軍と同義。
ページトップ
年表
184年~209年 210年~229年
230年~249年 250年~280年
地方史
司隷 益州 荊州 揚州 冀州
徐州 青州 兗州 豫州 涼州
幽州 并州 交州
トップページ>三国志総合事典(正史)>
中央1 / 中央2 / 地方
三国志の時代の官職(中央2)
中央官僚の続きです。本ページでは、「内朝系」などを取り上げます。
4、内朝系 5、武官系 6、補佐役
4、内朝系
ページトップ内朝とは、皇帝の内部的組織。助言したり、朝廷の文書・人事を司る。次第に、国政全般に関与した。
侍中(じちゅう)
帝の側に仕え、諮問に答える。政治顧問。中常侍
侍中府に所属。皇帝の側に仕え、詔勅を管理する。主に宦官が就任し、強い権限を持ち得た。
散騎常侍
侍中府に所属。詔勅を管理し、伝令する。魏が宦官排斥のために設置。録尚書事
尚書台(役所名)を監督。非常設。外朝の三公、大将軍などが、この役職を兼任し、内朝を統御した。
尚書令
尚書台の長官。公文書の発布を行い、朝廷の人事にも関わる。強い権限を持ち得た。尚書僕射(しょうしょぼくや)
尚書台の次官。諸部局をまとめ、長官を補佐する。尚書
尚書台の実務官。諸々の政務を処理する。尚書郎
尚書を補佐し、諸事に当たる。若手のための官。御史大夫
前漢当初は御史台(監察を司る)の長官。やがて御史台から独立し、「大司空」と改称される。後漢初期、「司空」に改称。後漢後期、曹操は司空(及び司徒・太尉)を廃止し、御史大夫を復活させた。
御史中丞
御史台の長官。上奏文の監査などをし、違法者を弾劾する。侍御史
御史台の実務官。「殿中侍御史」(儀式を監査する)、「治中侍御史」(法令担当)などがある。中書監、中書令
魏の官職。朝廷の機密に関わり、詔勅を司る。
5、武官系
ページトップ三公九卿に属するものは除く。
都督
軍政を司り、諸軍を統率する。非常設。曹丕が設置し、後に呉・蜀も置いた。大都督、都督中外諸軍事など、種々存在。また、地方(州)にも置かれた。
後漢時代は、軍が独自に設置。地位、役割も多様。
都護
国の軍事を統括する。魏には都護将軍、呉には左・右都護、蜀には中都護、行都護があった。監軍
諸軍を監督し、軍政に広く関わる。非常設。なお、州において、都督の代わりに置くこともあった。
将軍
当時「軍」という単位があり、一軍は3200人。将軍は一軍を統率する。上位の将軍は、「驃騎将軍」「車騎将軍」「衛将軍」など。
裨(ひ)将軍
将軍直属の副官。「裨」とは補佐の意。偏将軍
将軍に次ぐ指揮官。「偏」とは不完全の意。領軍
禁軍の中の「北軍」の司令官。(正式名「領軍将軍」。)宮殿外に駐屯し、宿衛を行う。城外にも出る。三国の官職で、執金吾に代わって実権を得た。
なお、経験が浅い者は「中領軍」(魏・蜀のみ)に就任。
護軍
北軍の人事を司り、諸将をまとめる。(正式名「護軍将軍」。)領軍の下に置かれ、城外に行軍する。また、経験が浅い者は、代わりに「中護軍」に就任。
後漢では、「護軍将軍」は置かれず、「中護軍」のみ置かれた。
中塁将軍、武衛将軍
魏の武官職。それぞれ中塁、武衛という軍を率いる。いずれも北軍に所属し、領軍に従う。五校尉
北軍の五部隊の長。屯騎、歩兵、越騎、長水、射声の5種。三国時代以降は、領軍に従う。魏では中塁、武衛と合わせて「三営」と呼ばれた。
城門校尉
北軍の一部を率い、首都の城門(首都を囲む城壁の門)を警備する。西園八校尉
霊帝直属の八つの校尉。霊帝自身が創設。また、霊帝は自らを「無上将軍」と称し、八校尉を統べた。(無上とは「上に誰もいない」の意。)
校尉
将軍に属する。「校」という単位の部隊を統率。(定員八百人。)なお、同名の官職は地方(主に辺境)にも存在。
都尉
将軍に属する。立場は校尉のすぐ下。なお、同名の官職は地方(郡など)にも存在。
6、補佐役
ページトップ様々な役所に共通して置かれる。
長史
次官。重要な役所(丞相府、三公の府、将軍府など)に置かれ、諸部局を統括する。地方では、郡や国(藩国)において、丞の代わりに置かれることがあった。
主簿
文書、帳簿を司る。様々な府に置かれた。地方においても同様。
記室
上奏文・檄文の起草、諸事の記録を担当。三公の府、大将軍府に置かれた。(地方にも設置。)後漢、魏、蜀の官職。呉は置かず。
丞
次官。多くの役所、部局に置く。地方でも同様(国丞、郡丞など)。掾(えん)
役所の属官で、一つの部局をまとめる。「東曹掾」「西曹掾」「軍議掾」「倉曹掾」など。(曹は部局の意。)地方にも同様に設置。なお、東曹・西曹は、丞相府などに置かれた。(曹操が設置。)東曹は中央・地方の高官の人事、西曹は府内の人事を担当。
軍師
軍事全般に参与。丞相府、三公の府、将軍府などに置かれる。軍師祭酒
丞相府、司空府に存在。曹操が設置。「祭酒」とは長の意。他に、「軍祭酒」「軍謀祭酒」が史書に出てくるが、いずれも軍師祭酒と同一とされる。(諸説あり。)
司馬
軍のまとめ役。丞相府、三公の府、将軍府などに置かれる。「司馬」とは“馬を司る”の意。馬は軍と同義。
参軍
軍の参謀。丞相府、三公の府、将軍府などに置かれる。年表
184年~209年 210年~229年
地方史
司隷 益州 荊州 揚州 冀州