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サイボウ　トクケイ
　　
　劉表配下の政治家。劉表の姻族となり、政権の中枢に入る。太守や軍師に就任。また、劉琮（劉表の次子）を跡継ぎに推し、実現させる。

・荊州の南郡出身。家は大豪族で、名士層とも繋がりあり。（これらは、「襄陽記」に記される。）なお、蔡瑁は、南郡の北部の出身。この地域は、後に襄陽郡と改称。そのため、蔡瑁は襄陽人士に分類される。
・豪気な性格で、自信家だったという。（「襄陽記」）
・曹操（旗揚げ前）は蔡瑁を気に入り、よく行動を共にしたという。（「襄陽記」）


・劉表が荊州に赴任する。蔡瑁、蒯（かい）良、蒯越は、劉表から相談を受ける。共々、不服従民への対策を考え、指導者層の打倒を画策する。計画は遂行され、劉表は荊州で支配権を確立。

・江夏郡、南郡、章陵郡で太守を歴任する。後に、鎮南大将軍の軍師に任じられる。（「襄陽記」）
・この当時、劉表が「鎮南将軍」に在任。上における「大将軍」は、「将軍」の誤記と思われる。（つまり、蔡瑁は劉表直属の軍師。）


・劉表の次子劉琮は、蔡瑁の甥（姉の子）。蔡瑁は、劉琮を跡継ぎに立てようとする。劉表の前で、定期的に劉琮を称揚し、劉琦（劉表の長子）を貶める。（狡猾な性格。）結果、劉琮は跡継ぎに決まる。
・劉備が荊州に来て、劉表に厚遇される。「世語」によると、蒯越、蔡瑁は兵を手配し、劉備の暗殺を試みたとされる。信憑性は低いといわれる。
・劉琦は江夏太守となり、本国から離れたが、あるとき病床の劉表に会いにいく。蔡瑁は警戒する。「もし面会が行われたら、劉表の考えが変わり、劉琦を跡継ぎにするかも知れない。」そこで、仲間の張允と共に、劉琦を門の前で押し留める。「貴方は、直ちに任地に戻るべきです。」（悪辣な性格と、権勢の大きさが窺える。）


・劉表の死後、劉琮は曹操に降伏。曹操は蔡瑁との再会を喜び、私宅を訪問したという。（「襄陽記」）
・蔡瑁はその後、従事中郎（側近の参謀）、司馬（軍のまとめ役）、長水校尉を歴任する。一方、多くの人々は、蔡瑁が劉琦にした仕打ちを卑しむ。（「襄陽記」）
・「襄陽記」の訳本は出ていない。「蔡瑁字徳珪」で検索すれば、原文が見つかる。

蒯良　蒯越　黄祖

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