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コーエー7~9

三國志7
  <評価>75点  

 2000年制作。今作では、全武将プレイが可能。家臣、在野の人物を主人公にできる。6(前作)までは君主プレイのみで、上から下へのトップダウン方式。この7では、下から上へと、ボトムアップに物語を作っていける。世界観そのものの転換である。
 コマンドも斬新で、多様な行動が取れる。色んな人物と交友し、横の関係を構築し、時に民に密着する。あるいは、自らの能力を磨く。また、君主に戦略を提案。とにかく「遊べる」作品である。功を挙げれば、軍師、太守と昇進でき、コマンドも増える。

 なお、月ごと行えるコマンドの数は、「行動力」に比例する。「行動力」には個人の「政治」能力が影響し、「政治」は「師事」コマンドで上げられる。
 また、戦場の画面は囲碁・将棋の盤に似る。視界、行軍ルートという概念もあり、奥深い作戦を立てられる。(なお、野戦、攻城戦別々。)


 次回作「三國志8」では、更にコマンドが増える。7の方が簡略であり、ゲームバランスもいい。どちらを好むかは、人それぞれだろう。


三國志8
  <評価>70点

 2001年制作。前作に引き続き、全武将プレイ。メイン画面は町(城邑)。「宮城(きゅうじょう)」「農村」「市場」「飯店」などが配置される。(「自宅」もある。)それらをクリックすると、コマンドが表示される。コマンド実行により、主人公の能力も上がる。また、身分によって、実行できるコマンドが変わる(これは7と同様)。
 コマンドは、まず「会話」や「見聞」が基本。また、「売買」「開墾」「商業」。更に、「推挙」「鍛錬」「宴会」などがある。また、町外れには「城門」があり、他の都市に行ける。「城門」には更に、「略奪」コマンドが置かれ、その都市か、隣の都市で略奪できる。

 また、三か月ごと、主君の元で評定に参加。ここで戦略を提案できる。他に、同僚との面会などがある。(自分から、もしくは向こうから。)また、従来にないシステムとして、「放浪軍」「連合軍」を導入。放浪軍を結成し、都市を一つ占拠すれば、君主になれる。他にも、「義兄弟」「仇敵」「悪名」といった要素が追加。

 一方、戦争はシステムが凝っており、多種多様な戦法が使える。(当然、敵側も使ってくる。)絶えず、地形に注意する必要がある。(なお、野戦、攻城戦一体。)また、グラフィックがいい。


 あと、シナリオの数が多い。1年ごとに1本、計51本。そのそれぞれに対し、個性的なOPが用意されている。(以後の作品と比べても、シナリオ数は格段に多い。)


三國志9
  <評価>80点

 2003年制作。君主プレイのみ。戦略画面、戦術画面が一体化。全土が一枚のマップで構成され、普段の視界は自都市の周辺のみ。画面をスクロールさせると、遠くの地域まで見える。
 また、「戦略フェイズ」でコマンドを入力し終わると、「進行フェイズ」に移行し、時間が刻々と進行。イベントが折々発生し、また、軍がマップ上を少しずつ動く。10日経過すると、また「戦略フェイズ」に戻る。
 当作品では、時間が重要な要素となる。例えば、遠方に外交の使者を出すと、それだけ長く時間がかかる。

 一つのマップ上を、複数の国の軍が同時に動く。プレイヤはまず、自都市の強化に努める必要がある。(そのためには、人材の収集が基本。その後、内政、軍備。)更に、他国の軍の動きに絶えず注意し、対外戦略を考えなければならない。また、自都市の外には、敵軍を防ぐための障害物を築ける。
 また、一部隊に付き、最大5人の武将を所属させる。更に、部隊ごとに陣形(鶴翼、魚鱗、方円など)を選ぶ。次に、各武将をどの位置に配置するか、具体的に決める。また、各武将がどの兵法(突破、連射、罠など)を用いるか決定。


 総じて正統派の作品。コーエー三國志の一つの完成形。また、シリーズ中、最も荘厳な雰囲気がある。






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