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コーエー1~3
 コーエーの「三國志」シリーズは、主に小説「三国志演義」を原作とする。また、正史(歴史書)の要素も、ある程度盛り込んでいる。(なお、「コーエー」は昔は「光栄」。)
 また、各作品、最初にPC版が発売。その後、他機種に移植という形。

 当サイトでは、1~13をレビューする。(最新作は14。)
 評価は100段階。あくまで、大まかな評価。(ゲームにはそもそも、自分なりの遊び方がある。どの作品も、プレイの仕方次第だろう。)



三國志1


概括
 85年制作。記念すべき第一作。初めPCでヒットし、その後FCで再人気を博した。原作は演義、正史の他、吉川英治の「三国志」。

 ゲームの流れは、まず、人材をかき集める。次に、都市の生産力を上げ、同時に軍備を整える。最後に、敵の都市を攻略。制圧した都市で、同様のことを行う。
 また、空白都市の存在を見据え、戦略を考える。空白都市とは、どの群雄にも属さない都市を指し、直ちに制圧可能。
 なお、都市の生産力は、「土地の価値」と「民忠誠度」に依存。また、後者が低いと、住民反乱が起きる。前者は「開発」コマンド、後者は「施し」コマンドで上げられる。

 また、米の相場や、鉄の産地かどうかも重要。後者は商人と取引する際、武器を買えるか否かに関わる。(武器の種類はなし。武器を買うと、各武将の「武装度」が一括アップ。)


画面、音楽
 メイン画面は黒が基調。音楽は格調が高い。いずれも、古代中国の雰囲気をよく醸し出す。

 また、登場人物の顔グラも凝っている。(FC版、PC版で少し違うが、自分がプレイしたのは前者。)例えば、袁紹、魯粛、伊籍、文醜、黄祖などが印象にある。


武将データ
 「知力」と「武力」が基調。「統率」や「政治」はまだない。
 知力が90以上の武将は、自動的に軍師となり、コマンド選択の度に助言を行う。(昔プレイしたとき、伊籍、沮授、許収などに書物を与え、軍師にした記憶がある。)

 助言の中で重要なのは、人材登用に関するもの。本作では、他国の武将に「登用」を仕掛けることができるが、軍師はその成否を予測する。(因みに、忠誠度が高くても、引き抜ける場合がある。例えば顔良、文醜に「名馬」を送ると、あっさり引き抜けた。)

 なお、個々の武将データを見ていくと、原作(演義、正史など)に沿わないものが多い。かなりでたらめ。一部の武将は、サイコロで決めたのではないか、と思わせるレベルだった。
 代表的なのは、郭図(袁紹の参謀)。知力43、武力90。知力と武力を入れ替えるべき。(その上で、知力をマイナス10すべき。)あと、君主の武力が概ね高い。


軍師の助言
 コマンド実行時、成否の予測などする。上で触れたが、人材登用の際、かなり役に立つ。しかし、コマンドによっては、ただ不毛な言葉が返ってくる。
 例えば、訓練コマンド(兵の訓練)を選ぶと、「ほかにすることはないのですか」。違和感の残る台詞。

 また、他国を攻めるコマンドを選ぶと、唐突に「なにをぐずぐずしておられるのです」と来る。場合によっては、「てきはきょうだいですぞ」と言われる。この「きょうだい」はてっきり「兄弟」かと思っていた。「同盟も婚姻もした覚えはない」と思った記憶がある。最近になって、「強大」だと知った。


メッセージ
 主に、家臣のセリフという形を取る。例えば、人材の登用に成功したとき、「じんとくのなせるわざといえましょう」。いかにも古代中国っぽい。(しかし子供の頃、「じんとく(人徳)」の意味が分からなかった。)また、住民反乱が起こったとき、「ひどいせいじをするからです」。


総評
 よく練られている作品。一作目でありながら、本質的なことは大体盛り込まれている。人材捜索などは、ひたすらワクワクした。加えてセリフ、メッセージの独自性が強い。
 今やると流石に物足りないが、当時なら80点以上。また、シンプルではあるが、自由度が高く、遊び甲斐はあるだろう。




三國志2


概括
 89年制作。まず操作性が向上。ボタンが効果的に配置され、直観的に捉えやすい。(但し、前作の方が雰囲気はあった。)
 大きな違いとして、月ごと実行できるコマンドの数。前作では一都市に付き、一つのコマンドのみ。当作品では、全武将を使い切るまで。これにより、人材活用の重要性が増した。

 また、本作では、「計略」コマンドが初登場。まず、「二虎競食」、「駆虎呑狼」。前者は、敵国同士の仲を裂く。後者は、敵国の太守をそそのかし、君主として独立させる。
 更に、「敵中作敵」、「埋伏の毒」。前者は、他国の武将を手なずける。後者は、敵の都市に味方武将を送り込む。いずれの場合も、戦争の際こちらに寝返る。
 他には、「偽書疑心」。敵国の武将に偽書を送り、忠誠度を下げる。


戦略
 前作との大きな違いは、まず、援軍システム。これにより、戦略の幅が広がった。例えば、わざとある都市を手薄にして、敵に攻めさせる。一か月守り、次の月に援軍を送り、敵を挟み撃ちにする。こういう手が使える。
 また、外交コマンドには「共同」があり、戦場で共に敵に当たる。(互いに裏切りあり。)

 あと、「臨時」コマンドにより、臨時の取り立てができる。当然、民の忠誠度が下がる。


戦術
 まず、伏兵機能が追加。森などに入ると、自動的に伏兵となる。敵部隊が隣を通ると、自動的に攻撃。
 更に、「誘導」コマンドが追加。隣接する敵部隊に仕掛け、自部隊を移動させると、敵部隊が付いてくる。
 また、「火計」では、敵兵の数を減らす。(前作と異なり、一度に全滅させることはない。)


武将データ
 武将パラメータには、マスクデータとして、義理、相性、野望、人徳が追加。忠誠度が高くても、あっさり裏切ったり、独立したりする。(これが結構厄介だった。)

 なお、武将の知力、武力データは、大幅に改善された。本作で違和感が大きいのは、李典、楽進、于禁、曹豹、高順くらい。あと、君主の武力は相変わらず高い。
 また、オリジナルの武将を「新君主」としてプレイできる。


総評
 総じて、前作に比べ、娯楽性がアップ。「三国志演義」の世界を、忠実にゲーム化した感じ。とにかくゲーム性が高く、今プレイしても十分楽しめる。
 アイテム(書物、剣、玉璽など)も登場し、それぞれ知力、武力、魅力を上げる。(なお、書物は3種類、剣は4種類。)

 あと、辺境地域(西端、南端)のBGMが凝っている。通常画面と戦場、いずれも印象に残る曲(後者は前者のアレンジ)。




三國志3


概括
 92年制作。領地が城単位となり、各城は経路によって繋がれる。(前作まではエリア単位。)城と城の間には野戦場。
 基本的に、前作のシステムを進化、充実させた作品。雰囲気も洗練されている。


内政
 税収は1月、7月の二度。1月は金(きん)、7月は米。また、税率の設定もできる(民の忠誠度に直結)。

 本作は、内政システムが割と凝っている。
 まず、「土地」コマンドにより、未開地を開発できる。更に、「耕作」コマンドで、その地の耕作率を上げる。そして、開発・耕作された土地からの収穫は、基本の収穫量に付加される。(開発しても、耕作しなければ、その地からの収穫はない。)また、耕作率は収穫後0に戻る。
 他に、「治水」コマンドがある。洪水を防止すると同時に、「灌漑」値が上がり、収穫が増える。
 また、「商業」コマンドにより、民間に投資できる。これにより、1月の税収が増える。


戦術
 部隊が森などに入った場合、伏兵するかどうか選択できる。また、伏兵中に敵部隊が通りかかった際、攻撃するか否かを選べる。
 また、計略系のコマンドが追加。「同士」(同士討ちさせる)、「偽令」(敵部隊の動きを止める)が登場した。(なお、「誘導」コマンドはなくなった。)更に、守備側は、最初に「落とし穴」を設置できる。また、騎兵、弓隊など、兵の種類も導入。
 あと、昼、夜、霧によって、視界が変化する。


武将データ
 「政治」、「陸指」(陸戦指揮)、「水指」(水戦指揮)が新たに追加。
 また、武将データは、概ね違和感なくなった。しかし、于禁、高順が過小気味。また、郭嘉は知力80、政治97だが、逆が妥当。
 なお、新武将を自由に作成できる。


放浪
 特殊なコマンドとして、「放浪」がある(君主のみ実行可)。その際、連れていく配下武将を選択できる(何人でも可)。
 放浪中使えるコマンドは「情報」、「移動」、「挙兵」の三つ。「移動」では、任意の隣接都市に移動可。「挙兵」は、空白都市でのみ実行できる。
 放浪コマンドは、空白都市の探索が鍵となる。




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